
「最近、親の様子が少しおかしい。でも、介護が必要なほどではない…」
そんな、いわゆる「介護未満」の状態に戸惑い、不安を抱えていませんか?
高齢者がいきなり重度の介護が必要になるケースは稀で、大抵は少しずつ衰えていく。
この衰えてきているが介護認定が降りていない時期が一番厄介で、行政の支援がほとんど受けられないから、結局は家族が頑張るしかない現実がある。
著書『介護未満の父に起きたこと』は、コラムニストのジェーン・スー氏が、80代の父親に起きた変化と、それに翻弄されながらも向き合った日々を綴ったリアルな記録。
一言で言うと「年老いた親をどう支えていくのか、そのヒントと大切な気付き」を教えてくれる本です。
に、おすすめの1冊です。
本書を通じて、仕事をしながら効率よく父親のサポートをしてきた経験から「年老いた親」を支えるヒントが見つかるはずです。
※この本、実はKindle Unlimited対象なので、月額980円が今なら30日間無料で読めます。読み終わったら端末から消すだけなので、モノを増やしたくない人には最適です。
著者の父親の状態
サポートの方法は、親の状態や家族の構成によって大きく変わってくる。
スーさんの父親は20年以上前に妻を亡くし、現在は一人暮らし、いわゆる「独居老人」である。
しかも昔ながらの「男は仕事、女は家事」とうタイプの人間で、料理や買い物、片付け、掃除は全くできないうえに貯金はほぼゼロ。

ここまでどうやって生活してたんだろう…
スーさんの父親には、これまで世話をしてくれる女性がいて、食事の用意や掃除、買い物なんかも全部やってくれていた。
それでなんとか生活が回っていたが、その女性が体調を崩し、82歳にして突然「完全なひとり暮らし」をする羽目になった。
当然、何も家事ができないうえにお金もないし足腰も記憶力も衰えてきた父は、一人娘のスーさんに助けを求めてきた。

そこでスーさんが久々に父親の自宅を訪ねると、目に飛び込んできたのは物で溢れて足の踏み場もないような汚部屋だった。
玄関の傘立てには10本以上の傘が刺さり、賞味期限切れの食品やたくさんの紙袋、古い家電がごちゃごちゃ。
床は所々ベタベタで、食事をとるスペースもない。
そんな汚部屋で父親は一日中、毛布の上に横たわってテレビを見るだけの生活していた。

まさに孤独死する老人の部屋だね…
そんな父親の苦しそうな状態を目の当たりにして、スーさんは「父が精神的・肉体的に健やかな暮らしを、1日でも長く続けられるようにする」という目標を設定した。
一方、スーさんは独身で、兄弟もパートナーもいないので頼れるのは自分だけという状態だ。
同居せず適度な距離感で淡々とサポート
急遽、父のサポートをすることになったスーさんは、自身が無駄に消耗しないためにルールを3つ決めた。
① 仕事を辞めない

父親の世話をするために、仕事をセーブしたりしない。

介護のために仕事をセーブしたり、辞める人って結構いるよね…私もそうだったし…
というのも、スーさんの父はまだ本格的な介護が必要なほど衰えておらず、お金の問題もあるので仕事を辞めるわけにもいかない。
スーさん自身の老後のことも考えれば尚更だ。
親のせいで仕事を辞めて「あのとき辞めなければ…」「父のせいでこうなった」という被害者意識を持つことは避けたかった。
特にスーさんは「作家」という人気商売であるため、一度休むと仕事が途切れやすく、簡単に休むことはできなかった。
② ビジネスライクに解決する

感情に振り回されず、なるべく事務的に冷静に対処する。
相手が親だと、どうしても怒鳴ったり、泣きわめいたり、無茶を言ったり、何かと感情的になりやすい。
「親なんだからやって当然」「こんなにしてあげているのに感謝すらない」といった感情も湧きやすい。
本書でも「過去の経験から後ろ向きの感情に飲まれるとロクな事にならないと学んだ。だからこういう時は感情を使わずに、まるで仕事のように対処するのがいい」と記されている。
「親子ならではの関係」ではなく、あえてドライに合理的にサポートしていくことを決めた。
③ 一緒に住まない
同居するのではなく、離れて暮らしサポートしていく。
一緒に住むと喧嘩が増えるし、細かなことにイライラするし、逃げ場もないから関係がどんどん悪くなっていく可能性が高い。

確かに、旅行でペースが合わない親と2・3日ずっと一緒にいると思うところはある…
そのため、スーさんは同居せずに「ちょうど良い距離」を保ちながらサポートしていく事を決めた。
スーさんは「遠方に住み、親に対してなかなか会えないけど元気かな、と少し後ろめたさを感じながら懐かしむ程度がちょうどいい。いい大人になったもの同士が距離を縮めて良いことなど起こるはずがない」と記している。

食事や掃除もできない父親を、同居せずにサポートしていくことって現実的にできるのかな?

現代は、ヘルパーさんを頼んだり、UberやGOアプリなどがあるため、そういったものを利用すればある程度はなんとかなる(後述)。

田舎では利用できるサービスに限界があるからもっときついかもしれないね…
親のサポートに正解はなく、本書で紹介されているのは、あくまで「スーさんはこうした」というヒントであることは念頭に置かなくてはならない。
必要な要素を全て見える化していく
著者はまず「父が精神的・肉体的に元気なまま、一人暮らしを続けられるようにする」という目標を決めたうえで、そのゴールに必要なことを思いつく限り全て、紙に書き出していった。
部屋の掃除、洗濯、整理整頓、健康的な食事、自炊や宅配の使い方、運動、検温、メンタルケア…

「父親が健やかに生きるための要素」を、図のように全部まとめて「見える化」していった。

そして次に「父親ができること/できないこと」「誰かに頼めること」「危ういこと」の4つに仕分けした。
行き当たりばったりに、その都度問題にぶつかって解決して…とやっているとキリがないし、書かないと忘れてしまうことだってある。
買い物に行く前に買うものリストを書き出したり、メモしないと忘れてしまうことがある。
ビジネスでは「人には見えないものを管理できない」という経営哲学がある。
面談数・提案数・受注率などのあらゆる指標を「見える化」して管理する。
「見える化」しないと全体像が把握できないので、これは必要なことだ。

ビジネスだけでなく、家事・家計管理でも「見える化」はとても大切だね!
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行政に頼れる部分はちゃんと頼る

大前提して、親が「介護が必要かも?」と思った時は、全てを自分で背負い込むのではなく、介護保険(※)を使えないか考えてみることが大事になる。
全部自腹で対応をしていたら、サポートする人自身の生活がままならず、破産してしまう可能性もある。
※介護保険:40歳以上になると、給与から強制的に徴収される。
介護保険を利用するにはまず、「本当に介護や支援が必要なのか」を調べてもらう必要がある。
親の発言や行動に違和感を覚えたら、早めに一度調査してもらいましょう。

スーさんも父親に違和感を感じる瞬間があった。
ある日、スーさんの父親がいきなり電話をしてきて、とても怯えていた。
話を聞くと、「玄関に知らない人の靴がある、多分霊がいる」と…
普段、心霊なんて一切信じない父親が言い出してので、とても驚いた。
これがきっかけでスーさんは介護認定調査を受けることにしている。
結果は「要支援2」だった。
要支援2は介護はまでは必要ないが、家事や移動に少しサポートが必要なレベル。
要支援2だと、月に10万5310円までは入浴や排泄のサポートなど、日常の補助サービスが受けられる。

医療の現場に身を置いていると、「金銭」の問題はとても重要で、生活の質だけでなく、人間関係のトラブルにも発展しやすいことを実感します…そうしたことにならないように、使えるものはしっかり使い、負担を減らしましょう…
スーさんは「嫌な言葉だが情報弱者は損をするのが現状だろう」という言葉を記している。

本当にこれはあらゆることに通ずる「格言」だと、我が家も共感しています…
介護保険申請の流れについて
- 市役所などの「介護認定申請窓口」に申請書を提出すると、介護調査員が家にやって来て、本人の状態をチェックする。実際に本人を見てみないと、どれくらい衰えているか、支援や介護が必要な状態なのかは判断できない。
- かかりつけの病院を受診し、主治医に意見書を作成してもらい、その意見書も提出する。意見書をもとに専門家がツールを利用し、要支援・要介護の判定を出す。

上図のように、要支援・要介護の区分が重いほど、受けられるサービスが増える仕組みになっている。
「行政に頼れる部分はちゃんと頼る」ことが大切です。
テクノロジーとサービスをフル活用する
同居せずに親の生活を支えるのなら、ITやガジェット、アプリを使い倒すことが重要になる。
現代では便利なものが山ほどある。
以下に、スーさんが実際に使ったものを紹介していく。
①ウーバーイーツや出前館などのフードデリバリーの利用

みなさんもご存知だとは思うが、これらを利用すると、温かくて美味しい食事を数十分で届けてくれる。

でも、高齢者ってスマホやネットの操作できるかな?LINEすら怪しいのに…
スーさんは自分自身が注文して、届け先を父親の家にしており、支払いもスーさんのクレジットカードから引き落とされるようにしている。
こうすることで、父親はアプリを操作しなくていいし、配達の状況もスーさんのスマホで確認することができる。
試しに最初ウーバーイーツを試したら30分後に電話がきて、「おい!うまいよ!とんかつと鶏肉のやつも。温かいし、これならいける!」と大喜びだった。
さらに冷凍食品や飲み物もスーさんがネットで注文して、父親に送るようにしていた。
②業者を入れて大掃除、見守りにガジェット
スーさんは父親の汚部屋を業者を入れて一気に大掃除を行なった。
そのあとは週3回・1回3時間、自費でホームヘルパーに来てもらって部屋の清潔さを維持している。
家事代行ではなくホームヘルパーを利用した理由は、
ホームヘルパーの方が、家事・話し相手・病院の付き添い・食事内容の共有まで踏み込んでサポートしてくれるから。
そして、自宅でも見守りにはアレクサ搭載のエコーショーを使った。
エコーショーは、決めた時間に今日の予定を読み上げてくれたり、「呼びかけ機能」でスマホから強制的に父親の部屋の様子を見ることができるガジェット。
他にも音楽を聞いたり、天気を教えてくれたりとか、いろんな機能がある。
とにかくエコーショーがあれば、家の中で父親が倒れていてもすぐに気づくことができる。
③移動や付き添いに、アプリやサービスを利用

移動に関してはGOアプリを使用しタクシーを読んだり、病院の付き添いにはクラウドケアというサービスを活用している。
このようにいろんなサービスを組み合わせることで、親と同居しなくてもしっかりサポートすることが可能になる。
それでも問題は起こる→微調整
歳をとると昨日までできていたことが急にできなくなることも多い。
著者の父の場合、食品用のラップがめくれなくなったり、お椀がうまく持てなくなったり、ペットボトルの蓋が開けれなくなったりした。
最近では、ダンボールの箱も自分で開けるのが難しくなってきた。
そのため、スーさんはペットボトルをやめて紙パックの飲み水にしたり、持ち手付きのお椀に変えたりして、少しずつ「今の父に合う」ように調整している。

筋力の低下や関節の柔軟性の低下が原因だね…

そのほかにも、最初は週1で家事代行サービスを頼んでいたが、父と相性が合わず…
結局、6人もスタッフを交代することになり、最終的にはサービスの利用をやめている。
「合う・合わない」ということはどうしてもある。
そこについてもビジネスライクに試してみて、ダメなら変えて、ダメならまた試すを愚直に繰り返していくことが大事になる。
「こういった微調整を、これからもずっと繰り返していくのだろう」とスーさんは記している。
お金がないとどうにもならない

本書では、お金ついて深くは触れられていないが、著書を読んでいて一番大切だと感じたのは「お金の重要性」だ。
どんなにいいサービスや商品があっても、お金がなければ使えない。
実際にスーさんも週3回・1回3時間のヘルパーを頼んでいて、それだけで月15万円かかっていた。
さらに業者を使った大掃除に8万円、タクシーやウーバー、冷凍食品にもお金を使っているから、全部合わせると月30万程度に達するだろう。
スーさんの父親は「要支援2」であるため、介護保険で月10万5310円まではサービスが使える。
しかし、正直それだけでは到底カバーしきれない現状がある。
24時間付きっきりで人の世話をすることはとてもお金がかかる。
スーさんも実際にやってみて「お金がないとどうにもならない」と痛感している。

親のために時間もお金も割いて、自分のための時間・お金を確保するのは無理なんじゃ…
それでも今の高齢者はまだマシな方で、介護保険もそれなりに使えているし、介護してくれる人もそこそこいる。
今の現役世代が80歳を超える頃には働き手が激減しているうえに、高齢者は今以上に増えているだろう。
そうなると今と同じ負担で、同じ介護が受けられる可能性はかなり低い。
その時にやはり大事になってくのは「お金」なのかもしれない。
国の制度や給付、他人に頼るのではなく、自分自身で将来へ備える必要があるということは胸に刻んだほうが良いだろう。
なぜ父には支えてくれる人が多いのか?
意外なことにスーさんの父には今でも会食に誘ってくれる友達がいたり、何かと手を貸してくれる人がいることが、著書の中で書かれている。
ちょっと前までは知り合いの女性が部屋の掃除や食事の世話までしてくれていたのは冒頭でも触れた。
単純に「モテる」ということであろうが、なぜこんなに人に恵まれるのかと考えた時に、スーさんが思い浮かべた理由は2つあった。
理由①:清潔感

スーさんが子供の頃から、父は常に身だしなみに気を遣っていたそうで、87歳になった今でも3週間に1回は散髪に行き、無精ひげのまま外出することもないし、爪はきちんと切るし、耳毛や鼻毛も伸ばしっぱなしにしないうえ、服が汚れたり、毛玉がついていることもない。
清潔感があることは「手助けしてあげたい」と思ってもらえる大事な要素だろう。
理由②:自慢話をしないこと

中年を過ぎるとなんの躊躇もなく、相手の時間をたっぷり使って、つまらない話・自分の話を自信満々に語ったりするいわゆる老害が増えてくる。
スーさんの父は威張ったり、マウントを取ったりすることは一切しない。
スーさんは著書の最後に「この2つは本当に評価に値するし、自分も見習いたい」と締めくくっている。
まとめ
「親の老い」に向き合うことは、同時に「自分自身の生き方」を見つめ直すことでもあります。
本格的な介護が始まる前の今だからこそ、できることがある。
まずは、今日お父様やお母様に「最近、困っていることはない?」と優しく聞いてみることから始めてみませんか?
※この本、実はKindle Unlimited対象なので、月額980円が今なら30日間無料で読めます。読み終わったら端末から消すだけなので、モノを増やしたくない人には最適です。
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