
「もっといい人間関係を築きたい」
と思った時、私たちはつい「褒めるスキル」や「伝える技術」を磨こうとしがちです。
しかし、エグゼクティブコーチとして500人を超える経営者やビジネスリーダーに対してコーチングをしてきた林健太郎さんは、著書はそれよりも遥かに重要なことがあると説きます。
それは、「否定しないこと」。
どれだけプラスを積み上げても、たった一つの「否定」というマイナスが全てを台無しにします。
本記事では、私たちが無意識にやってしまっている「否定」の正体を暴き、誰からも信頼される「否定しない習慣」の真髄を要約します。
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人間関係で最も大事なこと

あなたは、どういう人と一緒にいる時に心地いいと感じるか?話を否定せずにちゃんと聞いてくれる人でではないだろか。
逆に「この人といるとなんか、しんどいな」と思うのはどんな人だろうか。言ったことを頭ごなしに「いや」とか「それは違う」という感じで否定してくる人、一方的に自分の意見ばかり言う人だったりしないだろうか?

自分の意見をずっと主張したり、会話じゃなく一方的に話続ける美容師さんとかはさけちゃうなぁ…カットの時間がしんどくなる…
実際にとある会社が社会人300人にアンケートを取ったところ、話をしたくなる人の特徴の1位は「話を否定しない」だった。
著者も数多くの経営者、マネージャー、ビジネスパーソンと接してきて、人間関係で最も大事なことは「褒める」「肯定する」「叱る」のどれでもなく、「否定しないこと」だと確信している。
上司や彼氏、彼女、友達、親、セールスの電話などで一言目から相手を否定してくる場合、もうこの人に本音を話そうとは思わなくなるだろう。

実際に2015年にGoogleが「生産性の高いチームや組織には心理的安全性がある」という有名な研究を発表した。
心理的安全性とは、誰が何を言っても否定や拒絶をされたりする心配がない状態のことだ。当たり前だが、会社の幹部ばりに相手を否定し作っていると、社員は萎縮して本音を言えなくなってしまう。
そうなると結果的に人が辞めたり、恨まれたり、問題があっても教えてもらえなくなったりしてしまう。
このように誰かを否定していると、仕事の仲間、友達、恋人、夫婦などの人間関係すべてがうまくいかなくなって孤立してしまう。
褒めるよりも否定しないことが大事
褒めるよりも否定しないことが大事だ。
というのは、どれだけプラスがあっても、致命的なマイナスがあれば一気に人が離れていってしまう。
例えば笑顔で、ものすごくかっこいい人でも、体臭が臭かったり、目を合わせてくれなかったり、ネガティブな発言をするなどの癖があると、いいところはいっぱいあるのにそのマイナスが際立って「この人とは付き合えないな」となってしまうことがあるだろう。
このように人と付き合う時に大事なのは、プラスの部分より「マイナスがないこと」の方だ。そのマイナスというのはたくさんあるが、コミュニケーションにおける致命的なマイナスというのが、「相手のことを否定すること」だというわけだ。
自分は、相手を否定することってあんまりないと思うけど…と感じる人もいるだろう。
しかし、自分がそう思っているだけで、私たちは無意識のうちについ相手を否定してしまっていることが多い。

例えば「否定ではなく正論を言っているだけ」とか、相手のためを思って自分の言いたいことをアドバイスしたり、相手の話を遮って一方的に喋り始めたり、相手の目を見ない、スマホを見ながら話を聞く、腕を組むなども相手を否定することになる。
自分が否定していないと思っていても、相手が「否定された」と感じたらそれは否定なのだ。

セクハラみたい感じだね
そのため、言われた相手がどう感じるのかを想像しながら喋ることが大事になる。まずは褒めるよりも否定しないことが大事だということを覚えておこう。
そしてここからは是非とも自分の身近にいる「一緒にいて心地いい人」と「一緒にいて疲れる人」の二人を頭に思い浮かべながら読んでいただければと思う。
つい否定してしまう3つのシチュエーション
ここまでは、相手のことを否定しないことの重要性を説明してきた。ここでは、人はどういう時にいついうっかり相手を否定してしまうのかについて説明していく。
つい相手を否定してしまうシチュエーションは3つある。それは「事実だから否定してもいいと思い込んでいるとき」「自分は正しいと思い込んでいるとき」「他人に過剰に期待しているとき」の3つになる。
①事実だから否定してもいいと思い込んでいるとき
これは悪意はない、むしろ善意で相手を否定してしまうパターン。
例えば35歳の男性が「結婚したいな」と言ったとしよう。
それに対して「35歳からの5年間で結婚できる男性はたった5.6%しかいない。つまり35歳で独身の奴は95%は永遠に独身なんです。なので一人で楽しく生きる方法を模索したほうがいいと思いますよ。あ、ちなみにこれは否定じゃなくて事実を伝えているだけですよ」というのが、「事実だから否定してもいいと思い込んでいるとき」のイメージだ。
辛辣な印象を受けるが、この発言は正論だ。なんといっても数字できっぱりと出ている事実をベースに話をしている。
確かに5.6%にかけて結婚相談所や自分磨きをしてお金と時間を無駄に投下するくらいなら、お金と時間を自分のためだけに、使って一人で楽しく生きるほうを選んだほうがいいかもしれない。
だが相手の気持ちはどうだろうか? おそらくただ雑談がしたかっただけで、正論やアドバイスを求めていなかった可能性が高い。
そんな相手に対して正論でバッサリ切ったりすると、深く傷ついてしまうしイラッとするだろう。何より「めんどくさいからもう話しかけるのをやめよう」と思うだろう。
正論なんて言われなくても大抵みんな分かっている。分かっているが、わかるわけにはいかない。なぜならその正論の先には夢も希望もないからだ。

サッカーで4対1で負けている時に、残り20分の段階で「これどうせもう負けるから、今から必死にやっても意味ないな」って考えが頭によぎったとしても、最後まで頑張りたいのが人間じゃないだろうか?
そもそもただの会話に事実や正論、アドバイスなどは必要ない。そんなのはアドバイスを求められた時や、誰かと議論するとき、会議、本、SNSなど相手に情報を正確に伝える時にだけ言えばいいことであって、ただの雑談に正論や論破、データ、勝ち負けを持ち込むべきではない。
それなら何も言わないで膝の上に乗っている猫と話しているほうがまだいい。
人は「正しいことを言って絶望を押し付ける人」よりも、「自分の気持ちがわかってくれて希望を与えてくれる人」を好むものだ。
「事実だから否定してもいい」という思考はしないよう心がけよう。
②自分は正しいと思い込んでいるとき
自分は正しいと思っていると、相手が自分の思っていることと違うことを言った時に、ついつい「間違っている」と感じて否定してしまいがちだ。
例えば女友達が「私、ちょっと前から風俗で働いているんだよね」と言ったとしよう。あなたならどうするだろか?
「もうちょっと考えたほうがいいんじゃないかな」と思うかもしれない。性病になる可能性もあるし、心がすり減りそう…長く続けられるものでもない。
だがその人にとっては、多くの人に求められて「ありがとう」と言われることで自分の価値を認識したり、自己肯定感が上がったり、何より極貧生活から誰にも頼らずに一人でマンションを借りて飯を食って生きて、天職になり得ることもある。
でも、そんなことで身につく自信は本物じゃないと思う人もいるだろう。
では本物の自信とはなんだろうか? あなたは体験したことがあるだろうか?

この世の中には絶対の真実などはない。これは多くの本を読めばわかる。これが健康に良いと本に書かれていることでも、自分にとっては不健康になるものもあるし、違う本には違うことが書かれていることもある。
それでも情報を得るのは「自分にとっての正解」を見つけるためだ。だがその正解はあくまで自分にとっての正解であり、相手にとっての正解ではない。
それに時間の経過とともに、自分の意見も変わってしまうことも多い。
自分が中学生や高校生の時に正しいと思っていたこと、これは永遠に変わらないと思っていたことでさえ、今では「なんであんなこと思ったんだろう」と振り返ることもあるだろう。
実際にワシントン大学の心理学者であるジョン・ゴッドマン博士は「大人の関係性における問題や課題の69%には明確な答えは存在しない」ということを述べている。
特に多くの人が友達や彼氏、彼女と話す会話なんて、明確な答えなどないただの会話の場合がほとんど。
だから正しさに固執せずに「この人はこういうことを思ったんだな。自分の考えと違っていて面白いな」と思って、相手と自分の違いをそのまま理解することが大事になる。
とにかく「自分は正しい、相手は間違っている」という思い込みが相手を否定してしまう一番の原因になる。
③他人に過剰に期待しているとき
他人に対して「これくらいできるだろう」「これくらいやれるだろう」という思い込みをすると、それができなかった時に不平不満になり、つい相手を否定してしまう。

実際に会社に入ってきた新人に対して、仕事のできる人が「これくらいできると思ったんだけどな。手抜いてる。こんなのプロの仕事じゃないぞ」と相手を否定してしまうことはよくある。
だがその人だってわざとパフォーマンスを低くしているわけじゃないし、嫌がらせするために毎日失敗しているわけではない。その人なりに精一杯頑張ってやっている。
それでも、仕事は頑張りと結果が大事だと言う人もいるだろう。
確かにそれは事実だが、だからといって相手を否定すれば結果が出るのかというと、全然そんなことはない。というかむしろそんなことをすると、萎縮して、場合によっては会社を一斉に辞めたり、恨まれたり、問題が表面化しない原因になる。
絵本作家である西野亮廣さんは「ヒューマンエラーはない。全てシステムエラーだ」と言っている。これはミスが起こった時は人ではなく、システムや仕組みのほうに問題があったと考えなさいということだ。
人のミスを注意して、またミスして注意して、を繰り返していても埒が明かない。そもそも人なんて最初から思い通りに動かせるものじゃない。
にもかかわらず思い通りに人を動かせると勘違いしたり、勝手に相手に大きな期待をかけるから否定してしまう。仮に相手のパフォーマンスが低かったとしても、まずはその人なりに精一杯やっているという事実を認めて、どうすればできるのか、どのレベルまでならできるのかなどを一緒になって冷静に考えるべきだろう。
ビジネスの世界だと、仕事ができる人ほどできない人の気持ちが全くわからないから、平気で相手を否定してしまうことがある。
「過剰な期待はしない」ということを肝に銘じておこう。
否定せずに会話するためのテクニック
では、どうすれば否定せずに会話ができるのか?
まずは「否定しそうになった時は『かもしれない』を付けて視野を広げること」だ。
否定はついつい反射的に口から出てしまうことがある。そうなる前に頭の中で否定を転換する。
例えば、お笑い芸人のぺこぱさんの漫才みたいに「かもしれない」をつけることだ。
「こいつの意見は間違っている」と思っている自分が間違っているのかもしれない。
「パソコンはMacが絶対にいい」と思っている自分が間違っているのかもしれない。
「車は維持費が高いから持つべきではない」と思っているけど、車にはそれ以上の魅力があるのかもしれない。
「子供がうるさい」と思っているけど、自分も子供の頃うるさかったし何より元気なのはいいことだ。
といった具合だ。
私たちが否定をする一番の原因は「俺は正しい、相手は間違っている」という哀れな思い込みである。まるで自分がこの世界のすべてを知り尽くした気になっているが、そんなことはない。

当ブログでも書いている「投資はインデックス投資にするべき」というのも、多くの人にとっては当てはまる可能性があるが、当然100%正解じゃない。
実際に不動産を買ったほうがいいという人もいるし、自分のビジネスに投資したほうがいい、とかスタートアップに投資したほうがいい、現金がいい、人に使ったほうがいい、遊びに使ったほうがいいという人もいる。
ZOZOの前澤さんは「お金は使った分だけ返ってくる」と言っている。あれもまた前澤さんにとっての事実だ。
このように「何々と思っている自分が間違っているのかもしれない」と考えることで、ついつい正論を振りかざして相手を否定することが減るだろう。
否定しそうになった時は「かもしれない」をつけて視野を広げるというクセ・習慣をつけるよう心がけよう。
会話はまず相手を認めることから始める
会話は『そうなんですね』『なるほど』でまず相手を承認することから始める。
ここまで話してきた通り、相手が話していて一番求めているのは承認だ。
相手が自分の考えと違っていたり非常識だと感じたとしても、まず最初に「相手はそう思っているんだ」と受け止めること。それが承認になる。
しかし、自分の意見と違うのに全ての意見に対して承認していると、ただのイエスマンじゃないかと言う意見もあるだろう。
別にイエスマンになる必要はない。ただ「相手はそう思ったんだな」「そう感じたんだな」という感じで受け止めるだけでいい。
否定も肯定もせずに、ただ相手の意見や話を受け入れて相手に話してもらうことだ。その方法として「なるほど」「そうなんですね」という言葉を使ったり、相手の言葉をそのまま復唱するのがよい。

例えば相手が「最近、髪の色変えたんだよね!似合ってるでしょ?」と言ってきたら、「そうなんだ。似合っているね。なんでそのカラーにしたの?」という感じで復唱したり承認すればいい。
この場合、仮に自分が前のカラーが良かったと感じていても、ひとまず「相手の似合っている」を受け入れることだ。
会話はこのように、まず相手の言葉や行動、態度に対しての承認から始めるべきだろう。
つい否定してしまった時はリカバリーする
話をしている時、求められていないのにアドバイスをしてしまったり、正論を振りかざしてついっかり相手を否定してしまう時もある。
そういう時は後でリカバリーすると良い。「否定しているように聞こえたらごめんね」という言葉を使うといいだろう。
例えば相手が「仕事がきついんだよね」と言ってきたとしよう。
そんな時についつい自分の知識をひけらかしたくなって、「だったら35歳までに転職したほうがいいよ。それ以降ってなかなか転職難しいからね」と言ってしまったのであれば、「あ、否定しているように聞こえたらごめんね。ちょっと心配になっちゃって、おせっかいだったね」と言う感じだ。
女の子とか友達と話していて、「ついつい、あ、否定しちゃった」と感じたら、「否定しているように聞こえたらごめんね」と言ってすぐにリカバリーするのがいいだろう。
否定しない態度で接する
人は言葉だけじゃなくて態度でも「相手を否定している」と感じることがある。

例えば相手の話を聞くとき目を合わせないとか、スマホをいじりながら話を聞くとか、眉毛に皺を寄せるとか、口をへの字にする、腕を組む、足を組む、話している途中でスマホを見るなどだ。

これは本当にやりがち…気をつけないと💦
いくら否定的な言葉を使っていなかったとしても、態度で相手を否定していたらすべてが台無しになる。
目を合わせてくれないと、「なんか避けられてるのかな」と思って心を開けないし、スマホ見ながら話を聞かれると軽く扱われている感じがするだろう?
意識するべきポイントは、相手と話している時は相手だけに集中して、できるだけ笑顔で接するように意識することだ。
ひろゆきさんばりに嘘の笑顔でいいから笑顔でいるといいだろう。できればいつも上機嫌でいられるように、自分のコンディションや健康状態を高い状態にキープしておくことも大事になる。

機嫌が悪い時って周りに伝わりやすいからなぁ

そして、特に大事なのが、話している時に相手の目を見るという行為。ずっと目を見るのではなく、たまに目を合わせるくらいが良い。
心理学博士であるアン・デマレイスさんの書かれた『第一印象の魔法』という本でも、多くのページを割いてアイコンタクトの大切さが語られている。その本によると、相手を見ないということは「相手に興味がない」というメッセージを送っていることになると書かれている。
実際にアイコンタクトの時間が短い人は、アイコンタクトが適度あるいは多い人に比べてネガティブな印象を相手に与えていることがわかっている。
だからと言って、チラチラのもNG良くない。頻繁に相手を見るチラチラ見は好感度が下がり、相手とずっと目を合わせ続けると相手に不快感や脅威を与えることがわかっている。
つまり通常よりもほんの少しだけ相手の目を見つめるのが正解だ。
『さすが』と言って相手を褒める
最初にも書いた通り、まずは最初に相手を否定するのをやめることが大事になる。
それがもしできたら、相手を少し褒めてみるのを意識してみる。
実際にデール・カーネギーさんの『人を動かす』という名著には「人に好かれる6原則」というものがあり、その6つ目に「心から褒める」がある。
て特に著者が相手を褒める言葉としておすすめしているのが「さすが」というワード。本書では「さすが!」は魔法の三文字だと書かれている。
例えば相手が何か言った時に「さすがですね」とか「そこに気がつくとはさすが〇〇さん」といった具合に、ちょこちょこ会話で「さすが」という言葉を挟んでいく良い。
人を褒めることは結構難しく、褒めるポイントがずれていたり過剰に褒めすぎるとお世辞感が出て変な空気になってしまう。「さすが」という言葉は少しだけ褒めるワードであるため、お世辞感も出ないし変な空気になりづらい。
まとめ
人間関係を良くするために、新しいテクニックを付け加える必要はありません。
むしろ、自分の中にある「否定という余計な癖」を削ぎ落とすこと。
自分が良かれと思ってアドバイスしたり正論を言うことによって、相手を否定していることになるということが目からウロコだったと言う方もいるでしょう。頭でわかっていてもできないことが多いです。
モテたいとか、多くの人に囲まれたい、協力してもらいたいといった「実利」が欲しいなら、この「否定しない習慣」を身につけることが、結果として最も豊かでシンプルな人間関係を手に入れる最短ルートになるはずです。
まずは今日、誰かの話に「なるほど、そうなんですね」と返すことから始めてみませんか?
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