
「Tentipi Tents(テンティピテント)」は、3種類のグレードと2種類のテント生地、ユーザーの用途に合わせた様々なサイズがラインナップされている人気のテントです。
グレードで何が違うの?自分に合うサイズは?ストーブを使う場合は?など、気になった方・購入を検討されている方も多いと思います。
sasa家は以前からテンティピテントの美しいシルエットに惹かれ、ずっと購入を検討していました。
購入の契機は2024年、長野のホワイトバーチキャンプフィールドで開催されたTentipi Camp Meetingに参加させて頂いたことでした。
当時、sasa家はテンティピユーザーではありませんでしたが、友人から「みんなで一緒に行くから来なよ!同じテントで寝ればいいよ」と誘ってもらい参加させて頂きました。
イベントでは、多くのテンティピテントユーザーが参加していて、雑誌GO OUTやInstagramで見たことがある人達もちらほら..
普通に生活していたら関わることがない人達と知り合いになれ、交流することができ、本当に充実した楽しい時間でした。
テンティピテントは機能性やシルエットの美しさだけではない、人を惹きつけるプロダクトなんだと確信したsasa家はサファイア9ライトと、純正薪ストーブのエルドフェルを購入し使用しています。
友人達も使用している方が多く、それぞれの違いや使用感について、聞いたことや実際に経験したことをまとめてみました。
この記事では、テンティピテントの仕様や性能、実際の使用感について解説していきます。
最後まで読んで頂けると嬉しいです。
テンティピテント 概要
1.ルーツ
テンティピテントのルーツは、スカンジナビア少数民族サーミ人やアメリカ先住民族インディアンの住居だそうです。
上部が開いた円錐型のシンプルな構造が特徴です。
2.設営
設営はとてもシンプルで、8ヶ所のペグダウン(15サイズは16ヶ所)とセンターポールを立てるだけ。
慣れれば設営時間はたったの数分程度で済みます。
構成パーツが少なく、破損の心配もなく、メンテナンスも簡単です。
3.耐風性
一般的なフレーム構造のテントと違い、テンティピの形状は円錐に近い構造で風を受ける力を分散するそう。
高い位置ほど風は強くなりますが、形状的に突風によるあおりのリスクもないようです。
4.オールシーズン仕様
トップとボトムにはベンチレーションを備えており(ジルコン/サファイアのみ)、円錐型の形状も相まって、 空気の流れを効果的に生み出すことができます。
出典;PHARUS
そのため温度・湿度の調節だけでなく、煙も自在にコントロールできるので、内部で焚き火を楽しむ事も可能だそうです。(高価なテントだけに、幕内で焚き火をした方にはまだ会ったことがないです..)
オプションには煙突を備えた薪ストーブや、結露・日射し対策にもなるインナーテント、土間の位置を調整できるフロアなどオプションも豊富です。
テントの出入口や各ベンチレーションにはモスキートネットを備えているので、夏場の暑さ対策にもなり、シーズンやスタイルに合わせて使用できます。
ラインナップ
冒頭でも述べましたが、3種類のグレード(オニキス、ジルコン、サファイア)とそれぞれに2種類のテント生地(CP、light)があります。
オニキスはベーシックグレード、ジルコンは中間グレード、サファイアは最上位グレードです。
グレードによりサイズラインナップは異なりますが、基本的に5、7、9、15のサイズです。(下写真)

このほかに最も小型の「オリヴィン2」、テント面を跳ね上げることができる「フレックス15(※)」がラインナップされています。
※フレックスは今までジルコン・サファイア15のみに設定されていましたが、サファイア9にも追加されました。
フレックスについては、こちらの記事を参照ください。
冒頭でテント生地の種類は2種類と記載しましたが、サファイアのグレードのみECO素材を利用したライアンナップがあります。
素材
CP素材(コットン・ポリエステル)
・一般的なポリエステル素材に比べ「呼吸」するため、内部の湿度を逃し結露が少ない
・light素材(ナイロン・ポリアミド)に比べ、10倍紫外線を防ぎやすく、難燃性
・強い風を伴った雨などの際に、雨が内部に染み出す可能性あり
・殺虫剤やハンドクリームなどケミカルに弱い
・light素材(ナイロン・ポリアミド)
・撥水性と軽量さが特徴
・湿気を通しにくいため結露が発生しやすい
・CPに比べ、火に弱い
・ECO素材(麻、オーガニック・コットン、リサイクル・ポリエステル)
・サファイアのみラインナップ
・CPと同程度の機能
グレードとそれぞれの仕様
オニキス(Ontx)

light
サイズラインナップ:5、7、9、15
テント生地:超軽量なナイロン6(※)、最軽量
※軽量なポリアミドファブリック、リップストップ補強、PUコート(片面)
重量:5サイズ/3.6kg 7サイズ/4.5kg 9サイズ/5.9kg 15サイズ/10.1kg
カラー:少し紫がかったグレー
CP
サイズラインナップ:5、7、9
テント生地:Cotpolmex Comfort(コットンとポリエステルの混紡素材)
重量:5サイズ/8.7kg 7サイズ/11.5kg 9サイズ/14.2kg
カラー:ベージュ
他のグレードとの違い⇩
・トップベンチレーションが1つ(ジルコン・サファイアは2つ)
・トップベンチレーションの操作可能箇所は2つ(ジルコン・サファイアは6つ)
・ベンチレーション下のフレームと開閉メッシュがない(ジルコン・サファイアはあり)
・ボトムのベンチレーションがない(ジルコン・サファイアはあり)
・lightの幕体はシリコンコーティングでない(ジルコン・サファイアはコーティングあり)
・幕体下部のボトムスカートがない(ジルコン・サファイアはあり)
・薪ストーブをインストールする煙突穴がない(ジルコン・サファイアはあり)
などが挙げられます。
ボトムにベンチレーションがないため、他のグレードに比べると空気が流れにくく換気しづらいです。
また、コーティングが片面だけで、幕体下部のボトムスカートもないため、他のグレードに比べると加水分解しやすいかも..
ただ、オニキスグレードでも一般的なテントより性能は高いようなのでご安心を!
煙突穴がないから、薪ストーブが使えないということではないです。
友人はオニキス7ライトに薪ストーブを使用しています。(ベンチレーションを煙突穴代りに)

オニキスは薪ストーブや換気目的でベンチレーションを開放すると、ベンチレーション下の開閉メッシュがないため、虫などが入りたい放題なので注意です!

ジルコン・サファイアのグレードにはベンチレーション下に開閉できるメッシュがあります。(上写真)
ジルコン(Zirkon)

light
サイズラインナップ:5、7、9
テント生地:超軽量なリップストップナイロンTraillix Comfort(※)
※両面シリコンコート、UVプロテクトコート
重量:5サイズ/4.9kg 7サイズ/6.4kg 9サイズ/7.6kg
カラー:バーガンディ(公式ではブラウンレッドと記載)
CP
サイズラインナップ:5、7、9、15
テント生地:Cotpolmex Comfort(コットンとポリエステルの混紡素材)
重量:5サイズ/9.0kg 7サイズ/11.9kg 9サイズ/14.6kg 15サイズ/21.7kg
カラー:ベージュ ボトムスカート:深緑
他のグレードとの違い⇩
・トップダブルベンチレーション(オニキスのみシングル)
・トップベンチレーションの操作可能箇所は6つ(オニキスのみ2つ)
・ベンチレーション下にフレームと開閉メッシュあり(オニキスなし・サファイアはあり)
・ボトムベンチレーション1つ(オニキスなし、サファイア3つ)
・lightの幕体にシリコンコーティング・UVプロテクトコート(オニキスなし、サファイアあり)
・幕体下部にボトムスカートあり(オニキスなし、サファイアあり)
・薪ストーブをインストールする煙突穴あり(オニキスなし、サファイアあり)
などが挙げられます。
ボトムにベンチレーションがあるため、オニキスに比べると空気の流れやすく換気しやすいです。
シリコンコーティングが両面に施されていて、幕体下部のボトムスカートがあるので、オニキスに比べると加水分解しにくいです。
煙突穴があり、薪ストーブが使いやすいです。
ブラウンカラーがいい!サファイアほどの性能は要らないけど、機能で妥協したくない!と言う人におすすめ。
友人のジルコン7ライト(下写真)。落ち着いたバーガンディカラーがいい感じです。

一番手前がジルコン・CP(下写真)。タンカラーのようなテント生地で、スカートは濃いグリーンです。

サファイア(Safir)

light
サイズラインナップ:5、7、9
テント生地:ナイロン66をベースとしたポリエステル素材Traillix Pro(※)
※両面シリコンコート、UVプロテクトコート
重量:5サイズ/4.8kg 7サイズ/6.3kg 9サイズ/7.7kg
カラー:グリーン
CP
サイズラインナップ:5、7、9、15
テント生地:コットン混紡最高級素材Cotpolmex Pro(※)
※より張りがありシワなく綺麗に張れる 、より固めの生地で耐候性・耐久性高い
重量:5サイズ/9.4kg 7サイズ/12.3kg 9サイズ/15.2kg 15サイズ/22.3kg
カラー:ベージュ ※Cotpolmex Comfortより若干深いベージュ ボトムスカート:黄緑
他のグレードとの違い⇩
・トップダブルベンチレーション(オニキスのみシングル)
・トップベンチレーションの操作可能箇所は6つ(オニキスのみ2つ)
・ベンチレーション下にフレームと開閉メッシュあり(オニキスなし、ジルコンあり)
・ボトムベンチレーション3つ(オニキスなし、ジルコン1つ)
・lightの幕体にシリコンコーティング・UVプロテクトコート(オニキスなし、ジルコンあり)
・幕体下部にボトムスカートあり(オニキスなし、ジルコンあり)
・薪ストーブをインストールする煙突穴あり(オニキスなし、ジルコンあり)
などが挙げられます。
他のグレードと比較し、ベンチレーションが豊富で夏場も含めオールシーズン使いやすいです。
light、CPともにプロ仕様の生地が使用されているため、耐候性・耐久性が非常に高いです。
グリーンカラーが好き!機能性・仕様ともに最高なモノを使いたい!という人におすすめ。
耐久性が高いのであれば、トータルでは一番コスパがいいグレードかも知れませんよ?
サファイア9ライト(下写真)。雪景色にグリーンカラーがとても映えます..たまらん!

一番手前がサファイア・CP(下写真)。少し黄色味がかったサンドカラー生地で、スカートは薄いグリーン(ベージュ?)です。

実際に使ってみて
素材(light、CP)とグレードの使用感
素材(light、CP)とグレードについて見聞き、体感したことを以下にまとめてみました!
light
寒暖差や湿度があると結露しやすい(オニキス>ジルコン>サファイア)
撥水性は高い(オニキス<ジルコン<サファイア)
CPに比べると生地に薄い分、保温性が低い(オニキス>ジルコン>サファイア)
設営・撤収がしやすい(オニキス>ジルコン>サファイア)
CP
結露しづらく、しても少ない(オニキス<ジルコン<サファイア)
風雨で水が染み込むと、とんでもなく重くなる(※)(オニキス<ジルコン<サファイア)
※大人の男性でも持ち上げられないらしいです
CPの方が生地に厚みがある分、寒い時期の幕内の保温性は高い(オニキス<ジルコン<サファイア)
サイズ感(居住性)
他ブログでは、ソロ・デュオなら5〜7サイズ、ファミリーなら7〜9サイズ、大人数・グループなら15サイズと記載されているのを目にします。
sasa家は一括りのサイズ感ではなく、グランドシートなどを使用する地べたスタイルか、椅子・テーブル・コットなどを使用するハイスタイルか、薪ストーブを使用するのか、で考慮した方が良いと思っています。
これは円錐型テントであるが故で、デッドスペースの有無が関わってくるからです。
地べたスタイルであればデッドスペースが少ないため、よく提案されているソロ・デュオ/5〜7サイズ、ファミリー/7〜9サイズ、大人数・グループ/15サイズで良いと思います。
ハイスタイル・薪ストーブを使用する場合であればデッドスペースが多く使用できる空間が限られます。
ソロで5サイズはかなり狭く、7サイズがちょうど良いくらい、9サイズがゆったり快適でした。
デュオでは7サイズが手狭感があり、9サイズがちょうど良い感じ。
ファミリーでは9サイズが少しだけ手狭感があり、15がゆったり快適な使用感でした。
サイズ感(ストーブ・薪ストーブ使用時)
ストーブ・薪ストーブ使用時のサイズ感について見聞き、体感したことを以下にまとめてみました!
小型ストーブ(アルパカ、PACECO、フジカ・ハイペットなど)
体感では5・7サイズあたりまでが限界な印象。
9サイズでは足元が冷える、小型の足元ヒーターや暖気を循環させるファンがあるとgood。
大型ストーブ(トヨトミ、PACECO、コロナなど)
体感では5・7サイズでは暑すぎ、9・15サイズでちょうど良い。
足元が冷える場合、小型の足元ヒーターや暖気を循環用ファンがあるとgood。
薪ストーブ
体感では5・7サイズでは暑すぎ、9・15サイズでちょうど良い。
足元が冷える場合、小型の足元ヒーターや暖気を循環用ファンがあるとgood。
火の焚き方にもよりますが、参考にしてみてください。
暑すぎる場合は、ベンチレーションや入り口をオープンするなどして調整するといいですよ!
薪ストーブ(純正:エルドフェル)
ちなみですが、キャンプ好きな薪ストーブ専門店の社長さん曰く、「薪ストーブを使うなら純正のエルドフェル一択だよ」とのこと。
使用するためにオプションの購入(煙突ガード・煙突の延長)が一切要らず、ストーブ内のバッフルプレートにより煙突から火の粉が出る心配もないそうです。

純正薪ストーブ・エルドフェルは組み立てて、セットするだけですぐに使用できます。
実際にサファイア9ライトでエルドフェルを使用していますが、煙突から火の粉は出ていないです。
煤はどうしても出て、幕体に付着してしまうので注意しましょう!
欲を言えば、軽くなって欲しいのと側面などから炎が見えればなぁ..
その他
センターポールは土や芝の硬い地面であれば問題なく使用できまが、砂や雪などで使用するとズレたり沈んだりします。
センターポール下に板や純正のポールプレートを使用して防止するといいですよ!
終わりに

実際に使ってみると、設営・撤収が本当に簡単で、薪ストーブも簡単に設置できます。
ピン張りも周囲のベルトを締めるだけで簡単にでき、誰でもキレイに張れちゃいます。
グレード問わずですが、素朴な佇まいとシルエットは自然の景観と調和していて美しささえ感じてしまいます。
お値段はそれなりにしますが、テンティピテントの取扱ショップsotosotodaysでは、オンラインyahoo shoppingで格安セールを実施している時があるので要チェックです!
テンティピテントだけに限った話ではないですが、本当に良いものを使っていると同じものを使用している人たちと繋がりを持つ機会に恵まれることもあります。
テンティピテントは家族や普段の生活、職場以外ではなかなか得られない同じ趣味を持つ人との繋がりを持たせてくれる素敵なプロダクトだと思うのはsasa家だけでしょうか?
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。
主にInstagramでも情報を発信していますので、フォロー頂けたら励みになります。よろしくお願いいたします。